エビ蔵の日記

このblogは、ある司法修習生の日常を淡々と描くものです。過度な期待はしないでください。あと、部屋は明るくして、画面から3メートルは離れて見やがって下さい。

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今日、刑事裁判の被害者参加制度が利用された裁判が初めて東京地裁で行われたそうです。
被害者参加の制度については、厳罰化につながるのではないか? 本当に被害者のためになるか? などの指摘もされているところです。

私刑を禁止して、その代わりに国家が定めた(広義の)刑法上の犯罪を、国家が刑事裁判手続に従って処罰する。
そうすることによって、被害者・加害者の実社会での力関係に影響されない平等な刑罰を実現している。
こういう視点からすれば、被害者感情というのはせいぜい訴追する検察側が法定刑の範囲内で実現していくものなのでしょう。
また、法定刑に不満があれば自動車運転過失致死傷のように、立法で被害者意思を実現していくということになるのでしょう(もちろん被害者感情だけで法定刑が決まったりはしませんが)。
ですから、こういった古典的な(?)考えからしたら被害者参加制度というのはなかなか容認できないことなんでしょうね。

今回、被害者らに認められた主な権利は①公判期日への出席権(傍聴人ではなく、検察の横に座る権利) ②証人尋問権 ③被告人質問権 ④意見陳述権
まぁ、②とか③は検察が適切な質問してればいらないんじゃないか、とかも思うんですけどね。
被害者らが直接することに意味がある、と言えなくもないかもしれないけど、それだったら弁護士を通じてできることにしなくてもいいわけだし。
結局、検察あるいは日本の刑事裁判制度が犯罪被害者や遺族を置き去りにしてきたことのつけを、かなり強引な形で払わされてるようにも見えてしまう。

念のため言っときますが、私は被害者参加制度に全面反対ではないのですよ。
ただ、被害者らの権利の面ばかりにとらわれてしまって、負担の面がどうなっているのかという点についてはよくわかってないのではないかと思うのです。
どこかで権利を認めたら、その分どこかでしわ寄せが来る。
最近では、江東区のバラバラ殺人事件で裁判員制度を前提として分かりやすい法廷を実現するために、大型モニターを使って証拠を映し出したのですが、生々しい映像に遺族や傍聴人は耐えられなかったとききます。
今回の被害者参加の制度も、被害者や遺族に何らかのしわ寄せが来るかもしれません。
私のクラスを担当している刑事実務の先生は、刑事弁護人は一般人とは違う強い力や技術を有するから倫理が必要なんだと述べてました。
被害者らも今回新たな力を有したのだから、最低限覚悟はもってほしいと思います。
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posted at 23:08 | 法学 | TB(0) | CM(2)

leaf この記事に対するコメント

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2009/01/31 15:52 | | #


朝日新聞の記事は図書館で少し読んでました。
おっしゃるとおり、我々も被害者が充実した訴訟参加ができるように勤めなければならないでしょう。
でも、やっぱり最後に責任を持つのは、権利を行使して自ら参加した者なんだと私は思います。
我々にできることは手助けなのだとね。

だけど、記事にもあったけど、参審制の国で、参加しないと被害者のことを大切に思っていないと参審員に思われてしまうかもしれない。
そんなふうに参加が権利でなく、事実上の義務になってしまったらまた違った考え方が必要になるのでしょう。
裁判員制度も導入される日本でもこういうことになってしまうのでしょうか。

検察の側には、被告人を重罰に処するために被害者参加制度を使うのではなく、被害者の利益のためにこの制度を運用してもらいたいです。
それが、国民を訴追するという重大な権限を有する検察の倫理なのでしょうから。
2009/02/03 00:00 | URL | エビ蔵 #-


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